ainobeat

主に記録用

雪組 ファンシー・ガイ! 1/24

宝塚大劇場  開演:11:00、15:00

 

初見で撃沈したこともあって3週間の予習復習を経て再び挑んだわけだけど、ナウオンやお茶会等々でショーの見方についていろいろお話してくださったおかげで結構楽しめるようになってきた。やっぱり一場面一場面が唐突で説明がなさすぎるのよ。唐突に始まって唐突に終わる。一貫性があればまだ想像力も働くけど、急にガラッと変わったトーンのシーンが始まるから「えっ?!今見たやつもまだ処理できてないのにもう変わっちゃうの?!」っていうパニックが多々起きる。(というか基本そういうスタンス)まぁ私の理解力とヅカレベルが低いからなんだけどね。もっと修行します。って結局批判しか出てこないけどでも本当に今回は楽しめた!

 

まずプロローグ。今でもまだあの衣装に賛否両論あるみたいだけど、変わらず私は好き。目立つもん(笑)それにあれくらい攻めてる方が今の雪組の勢いが感じられていいと思うけどなぁ。早霧さんについて言えば、真っ赤なジャケットに真っ赤なソフト帽に真っ赤な口紅っていう赤の3点だけでもかっこいいのに、加えてソフト帽が本当によくお似合いでねぇ。斜めにかぶったときに片側からしか見えない切れ長で眼光鋭い目とシュッとした輪郭と…ってもう本当に美しい!彫刻のような造形美!!あと美しいっていえばコーラスに煽られて「New Star!」から登場するところも好き。あのポーズ、特に指先が大好きで、あの登場シーンのお写真が出たら絶対買うし絶対待ち受けにするわ。(舞台誌さん宜しく!)

それはそうとプロローグの曲名って「Super Bad」っていうのね。(山下かよ!っていう率直な感想)確かにキザでヤンチャな歌詞だな~とは思ったけどそこまでの違和感もなく、これもなかなか攻めてる歌詞でかっこいいと思って聴いてた。基本的に好きなお方には従順だから「お前の過去はいらない!お前の今が欲しいだけ!」とか力強くカッコつけながら歌われたらみゆちゃんじゃなくとも「はい!!!!」って全力でお返事しちゃうでしょうよ。

そこから主題歌のFancy Guy!に繋がっていくのかな?(もう記憶が曖昧)前回観終わったあとは主題歌のキャッチ―さが今一つ…とか思ってたんだけど、今となってはファンファンファンファンファンシーガーイ♪が脳内でエンリピされるくらいにまで染まった(笑)「ファンシーゾーン」ってワードには毎回ギクリとするけども(笑)、「ソウルフルでワンダフルでジョイフルなヤツに~」のところで必ずテンションが上がる。ここ歌ってたの夢乃さんかな?聞いてる側の気持ちを煽るような歌い方で、よっしゃ行くぞ!って力が入る。

そうしてるうちに早霧さんのジャケットが黒に変わってちぎみゆの大人なデュエットダンス。まだ序盤だからそこまで濃厚じゃないんだけど当のお二人がどっぷりとムードにハマって踊るもんだから見てるこっちはあらららら~?だよ。周りの組子の皆さんが帽子で扇いでるのは二人を見て熱いからだっていう裏話を聞いてトップコンビの立ち位置とは…(笑)ってなったんだけど、むしろあれがないと濃くなりすぎちゃうから効果的なのかもしれない。最後にみゆちゃんを抱きしめて爽やかなドヤ顔を客席に見せてくださるんだけど心の中で「俺のゆうみ…♡(ドヤァ)」ってアテレコしてる。

シュッシュポッポ(早霧さん談)の場面もこれからみんなで足並みを揃えて進んでいくっていう様子を連想させるからあれはあれで楽しい。それにみゆちゃんが一生懸命腕を伸ばして早霧さんの肩に触れようとするけどいかんせん動いてるから肩から離れてしまって指をちょこちょこと動かして必死な姿が可愛すぎる。健気の塊。

 

続いて第2章は急にCM撮影が始まる(笑)コーラスの女の子たちがまぁ~可愛い♡あんりちゃんはもうすっかり見つけられるようになったんだけど、今回は加えてほのりちゃんと白峰ゆりちゃんも見つけられるようになったぁ♡女の子たちの顔を一人ずつ双眼鏡で見てるとき(変態みたい)たまたま一人の子がウインク飛ばしてる瞬間に遭遇してヒィ…!ってなった…超絶可愛かった…。立ち位置的に妃華ゆきのちゃんだと思うんだけどどうかなぁ。エルビス(のソックリさん)メドレーは男役さんたちの歌唱力にハラハラしたのが本音。でもこれは全編通してなんだけど「なんか歌上手い人きた…!」と思ったら8割が彩風さんだったっていう。とっても頼もしくて未来は明るいけど現在をもっと頑張ってもらわないと。

 

客席降りもあって明るく楽しい第2章から一変して、第3章はピンクのファーとピンクライトに包まれた望海さんが妖艶に登場でこれまたヒィィィ…!案件。怪しすぎる望海さんは危険な香りしかしない。歌で世界を創り出す望海さん凄すぎる…。改めて凄い方が雪組にいらしたのね…ってそんなことを考えてるうちに舞台上ではベルリンのキャバレーが表れて、将校の早霧さんがだらっとイスにもたれて座ってらっしゃるんだけど、その姿がなんとまぁ色っぽいこと…!一瞬だから位置を把握していないと見逃してしまうんだけど、帽子をかぶってる姿がとても素敵で、何かいけないものを見てるんじゃないかってくらい危ない色気がダダ漏れ。そのビジュアルだけでも凄まじい殺傷能力で結構ダメージ喰らってるのに、それから同じく将校の夢乃さんと踊りだしてはわわわわ/////案件。もう女と踊ってよ…っていう思いもありつつ、ちぎともの体格差に不覚にもときめいてしまった頃に女役な彩風さんが登場で早霧さんはまたイスにだらりと腰かけるんだけど、いよいよキャパオーバーでパニック(笑)その後彩風さんと踊るけど気が気じゃない(笑)

それであぁ…やっと終わった…ってホッとしたのも束の間、急にタンゴが始まる。…え????????????脳内はてなマークだらけだけど早霧さんがキレッキレのタンゴを披露するもんだからとにかく双眼鏡ロックオンしてた。繋がりは謎だけど早霧さんがかっこいいからもう何でもいいやー(大の字)っていう境地に至る。

 

第4章、最初はシナトラメドレー。謎なタンゴからMC奏乃さんのご説明が入って場面の切り替えを把握。(いつもこれくらい分かりやすくしてくれたらいいのにな…)ここもエルビス同様ちぎともだい以下の男役さんたちが歌い継いでいって勢いのある華やかな場面が続くんだけど早霧さんが登場したら何やらまた重たい雰囲気に。これ初見は全く理解できなかったんだけど、どうやら早霧さん自身がシナトラで、過去に付き合った女の幻想を見せる天使と悪魔に翻弄されるっていうストーリーらしい。…ていうかそれ最初から言ってよ!分かりづらいわ!むしろ知らなかったわ!っていう。でもそれを踏まえて見れば結構楽しめる。理解はできないけど。

翻弄される悩めるダンスは早霧さんお上手だよね。苦悩を表現するのが群を抜いてお上手。(まぁ上手って言っていいのか分からないけど)お顔が彫刻みたいにハッキリくっきりしてるから絶望を表現しやすいのかも。それにしても望海さんが天使って慣れない(笑)でも最新最愛の彼女みゆちゃんを悪魔な夢乃さんから救うためにみゆちゃんの手をとって走って捌けていくのがツボだった。今回は絡みが全然なかったけど、これからはこの二人にもドラマが作られていくんだなって思うと次の大劇場公演がますます楽しみになる♡

そこから雪組の歌姫、舞咲さんが力強い歌声で場面替わりを知らせてくれる。やっと!明るく!楽しい!場面が!!ザッツライフは手放しに楽しめるから好き。早霧さんも言っていたように“青春”って感じがする。鮮やかなピンクの衣装で若さとパワーがこれでもかってくらい放出されていて、場が温まったところで中央からちぎともだいがシルバー・青・水色の衣装で走って登場。盛り上がらないわけがない!見てるこっちも笑顔になるようなパワフルな群舞最高。一度踊りきったところで早霧さんが捌けて夢乃さんの掛け声でもう一度踊り直すところもさらに興奮を煽る。ずっとザッツライフでいいよってくらい楽しい(笑)

 

そして第5章は待ってましたオペラ座。黒とシルバーの大人っぽいドレスを着たみゆちゃんが素敵♡みゆちゃんってこういうショーの一場面でも年齢化けるのね。どこまでも芸達者な娘役さん。設定としては不倫らしいけど、ちょっと春の雪を彷彿とさせるシチュエーションで勝手にテンション上がった。軽快さはない濃厚なデュエットダンスで、こういうダンスもできるんだっていう振り幅の大きさを見た感じ。早霧さんが大人(結構な上級生)だから今後のことを考えるとこういうじっとりした雰囲気が出せた方が演目のバリエーションが増えて充実しそう。みゆちゃんはそれに対応できる娘役さんだね。本当に素敵なコンビだ…♡で、みゆちゃんにフラれて絶望した早霧さんの影として男役さんたちがダダダっと出てきて鬼気迫るような揃った群舞を披露するんだけど、このときの振り付けで足を揃えて踏み込んでタンッって鳴らすところが好き。それから今度は真っ赤な鬘と真っ赤な衣装を着た娘役さんたちが早霧さんを囲んで炎に包まれる…っていう展開。(記憶が雑)セットの壁にもメラメラ燃えてる炎が映し出されるもんだから、もうここの燃えてる演出がSHOCKの一幕の最後にしか見えなくて(笑)大真面目なんだけど私は笑いが止まらないよ(笑)

 

終盤の第6章は夢乃さん望海さんのTime to say goodbyeから始まる。それぞれ青と紫のグラデーションの入った白基調とした衣装で銀橋で歌うんだけど、最初で最後なデュエットに思わず熱いものがこみ上げる。お二人の力強い歌声が響き渡ってとても心地いい。そこから雪娘さんたちによるロケット。お姉さんから下級生までみんな出てるんだけど、どこを見ても可愛くて眼福♡でももっと娘役さんの見せ場が欲しいよね。

そしていよいよ大階段。神聖な雰囲気が漂う煌びやかな大階段の中段中央に一人立っている黒燕尾を纏ったトップスターさんのあまりの神々しさに思わず息を呑んだ。あれ照明の効果が凄い。神話の一場面かと思った。とにかく舞台から放たれてる輝きが半端じゃない。でも直視できないくらい眩しいんだけど中央に立っている早霧さんに引き込まれていく感覚だった。次にその早霧さんに向かって真っ直ぐ階段を降りてくる夢乃さん。トップスターにまで登りつめた同期を真後ろに立ってしっかりと支えてるようにも見えて思わず胸が熱くなる。そして下手寄りから階段を降りてきて早霧さん夢乃さんがいる中央へと向かう望海さんは花組で真っ直ぐ育ってきてこのタイミングで雪組にやってきた、っていうことを表現しているようだった。一つ一つの動きにドラマを感じさせる振り付けはとても感動的。

お三人でひとしきり踊ったあとに男役さんたちが出てきての群舞。黒燕尾での群舞は各組個性が出ると言うけれど、雪組は堅実なダンスをするなぁという印象を持った。0番に立って組子を率いて踊る早霧さんはあんな華奢な体にも関わらず気迫とキレとオーラがさすがの一言。早霧さんを見ているとなぜか死の気配を意識してしまうんだけど(理由は自分でもよく分からない)、ここでも残り僅かな生命力を奮い立たせて精一杯輝いてるようなドラマティックな物語を勝手に作り出してた。(これから時代を創っていく新トップさんに対してあるまじき行為)それはそれとして、早霧さんらしいパキッとしたダンスに感化されて物凄いエネルギーを舞台上から放出する男役さんたちはとてもかっこよかった。頼もしい下級生もたくさんいるし、今後の雪組がますます楽しみになる、そんな黒燕尾だった。

続いて淡い黄緑色とオシャレなゴールドがアクセントのドレスに身を包んだ我らがみゆ姫の登場♡大階段に腰かけて足を組んでスタンバイするみゆちゃんはシルエットだけで可愛くて、ちょっと小生意気なところが可愛さを更に倍増させる♡そのあと望海さんによる美しい愛の讃歌に合わせてメインどころの男役さんたちと一人ずつ踊るんだけど、そのみゆちゃんが本当に蝶々みたいな可憐さ。夢乃さんにリフトしてもらうのもなんだか熱い。(親友の嫁と最後のダンス、的なやつ)

全員と踊ったあと、最後に夢乃さんがみゆちゃんを舞台の前方に連れていってその間にみゆちゃんと同じ色の衣装を着た早霧さんがせり上がりで登場。(しかもバックショットで(笑))思わず「本命キター!」って興奮するやつ(笑)そして大本命のちぎみゆデュエットダンス♡目隠しをしながら左右にゆらゆら揺れるちぎみゆの可愛さたるや…!若葉マークの色(早霧さん談)のごとくフレッシュさあふれるキラキラした世界観にうっとりする♡目隠しのあとはみゆちゃんが勢いよく抱きついて離れてからお互いにかしこまって挨拶をするんだけど、そのとき心の中で「よろしくね(優)」「はいっ!♡」っていうアテレコをしてる。律儀でピュアなちぎみゆを象徴しててここのシーン本当大好き♡それから終始キラキラした二人の世界の中で息の合ったダンスを披露して銀橋へ。それぞれ勢いよく走って中央で再会したあと、早霧さんが一人踊ってそれを傍らでしっかりと見守ってるみゆちゃんっていう図が幸せの絶頂で、もうちぎみゆへの愛しさが爆発寸前。最後は目線は客席な早霧さんが出した手にみゆちゃんが手を重ねると、その手を真っ直ぐと前を見つめたままの早霧さんがギュッと力強く握って(愛を確認して♡)みゆちゃんを自分のところへ引き寄せて勢いよくフィニッシュ。あまりにも清々しく爽やかな終わり方で「はぁ~~~~~~ちぎみゆ好きだ~~~~~~~!!!!!」って叫びたくなる満足感と多幸感でいっぱい。こんな素敵なデュエットダンスを授けてくださった安寿ミラ様に感謝しかない。(そして“感謝”でしか表せない自分の語彙力の無さを嘆くターン)

 

黒燕尾からのちぎみゆデュエダンでピークを迎えたけどまだ大事なパレードが残ってるんだよね…ド新規はいちいち大興奮してるから疲れる…。しかしそんな疲労も吹き飛ばす夢乃さんのエトワール。夢乃さんはいつも太陽みたいな人っていう印象だから今回も一番星というよりも太陽みたいに明るく温かく舞台を照らしてくれる。そんなパレードの序盤はおとめで勉強した知識を確認する時間にしてるんだけどこういう見方をしてていいのかな?(笑)みゆちゃんの真っ白な羽根とドレスが天使みたいで可愛い♡(もうみゆちゃんに対しては可愛いしか言ってない)そして一番最後、誰よりも大きな羽根、それも真っ白な羽根を背負った新トップ様が満を持して降臨。それはそれは美しいお姿で、大階段の中央でライトが当たった瞬間は未来に希望しか抱かせない幸せな瞬間。大劇場のお披露目ってこんなにも幸せな時間なんだなっていうのをド新規ながらに実感する。パレードに合わせて歌う主題歌はOPとはまた違った印象で、思わず一緒に歌いだしたくなるような高揚感。パレードって無条件にテンションを上げてくれるのね。夢の世界を締めくくるには最高の終わり方だよ。

 

プログラムを見ながら思い出ししてたら私にしてはなかなかボリューミーになった。東宝ではまた印象が変わるかなぁ。ちょっと理解不能で濃い分、もっと知りたい!もっと観たい!って中毒性があるのかも。初心者には決して良心的ではないけど頑張って喰らいついて楽しみます(笑)

雪組 ルパン三世 ー王妃の首飾りを追え!- 1/24

宝塚大劇場  開演:11:00、15:00

 

 

ということで今月二度目のムラ遠征してきた♡3週間のブランクはあったけど前回観てツボだったところとか連日のレポで気になっていたところを時間が経ってもう一度確認できて凄く楽しめた。なにより前回観たものより更にパワーアップしていてその違いが一番面白かったかな。天下の宝塚でも公演を重ねるごとに成長していく余地があるんだっていう発見と演者の皆さんのポテンシャルの高さに感激した。

 

ルパンさんは今回もとーってもかっこよかった♡セリフも展開も分かってるからもっと余裕をもって観た方がいいんだろうけど毎回新鮮にあの活躍劇に大興奮してる(笑)ルパンってあの喋り方だし何考えてるか分からないくらいなかなか心の内を表面に出したりしないんだけど、宝塚のルパン(早霧さんのルパン)は時に情熱的で時に穏やかで優しくて…っていうとても人間味がある温かい人物像な気がする。(早霧さん自身がそういう方な印象だから余計に役とリンクする)自分は泥棒で犯罪を犯してるのにも関わらず、マリーちゃんが罪を犯していないのに処刑されてしまう理不尽さに納得がいかず助けようとする正義の心も持ってるし。でももう一度言うけどルパン自身は犯罪者だからね(笑)けどそのギャップが粋だな~って思う。 

ルパンの温かさが感じられる場面は前回も感激したパリデートでマリーちゃんの風刺劇を本人が見てしまってそれを気遣う表情(それまでのイチャイチャぶりから一転しての表情)とか、その後王宮の寝室でマリーちゃんをベッドに寝かせてからマリアの涙を盗んで立ち去るまでの表情。どちらもセリフは無いんだけど(後者は歌に続くけど)逆にそれが宝塚ならではの男性像を強調しつつもキザになりすぎないルパン像を保っていて最高にかっこいい。もうね、このときの表情が胸がきゅーっとなるくらい切ないのよ。そもそも生きてる時代が違うからルパンたちは現代に戻れればいいわけでマリーちゃんの最期なんて無関係なはずなのに、それでも助けようと思う心理って憐れみが主だったりするのかなって思うんだけど(あとは女好きっていう理由(笑))、それがあの表情から伝わるのがさすが早霧さんだなと。早霧さんのお芝居って見た目の涼やかさに反して内面が凄く熱くてそれが全身から滲み出てしまうところが魅力の一つにあると思っていて、でもそれがルパンではどちらかというと開放的だからあまり内に秘めるっていう表現はしないんだけど、要所要所でピンポイントにその一面を垣間見れてあっ、早霧さん…♡ってなる(笑)

ルパンが粋な男だと思ったのはカリオストロさんに8年後に飛ばしてもらう前の銭形との場面。ル「無知や愚かなのと犯罪を犯すのとは違うだろ?」銭「そりゃそうだ!バカだからって逮捕していたら刑務所がいっぱいになっちまう!」ル「それだけ分かってれば大丈夫だ!」(ニュアンス)っていうやり取り。マリーちゃんの「私、何も知らなくて愚かだったかもしれないけど、罪は犯してないわ!」っていう開き直りともとれてしまう本音を知ってるルパンだからこその無茶苦茶な計画で、マリーちゃん(※史実のマリー・アントワネットではなくあくまでも作品中のマリーちゃん)の最期がおかしいと意図的ではないけど改めて強調して訴えてるから劇中でのヒーローとしての存在感が一層強まるシーンかなぁと思う。本当は凄く男前で優しいのにそれをおどけてストレートに表現しないのはあの役ならではで、宝塚の作品にしてはそれはそれで新鮮かな。

 

次にマリーちゃん。マリーちゃんは今回一番印象的だった。驚きも感動も笑いも全部みゆちゃんのマリーちゃんから貰った気がする。前回観たときはまだ二日目でどこまでやっていいのか探り探りだったように思うんだけど、今回はまぁ~随分と大胆になってて気持ちが良かった(笑)特に酔っ払いの演技が前回の比じゃないくらいぐでんぐでんで可愛さMAXだった…なんだよあの王妃様…。貴族たちの前での王妃としての振る舞いとのギャップが凄くて、常にルパンの前では好奇心旺盛で純粋な少女みたいで 飾り気がなくて、あんな姿を目の当たりにしたらそりゃあ助けたくもなるよなって。あと早霧さん曰く、この作品はマリーちゃんやカリオストロ伯爵(ジュゼッペたん)に感情移入して観るのが正解らしくてそれを聞いて安心した。実際観ていてもフランス王妃の気持ちなんて分かりっこないのに自然とマリーちゃんの気持ちになってルパンを見ていることが多くて、これが宝塚における娘役の役割か…!ってハッとした。凄いよみゆちゃん…。マリーちゃんが背負ってるものや求めてるもの、今まで見てきたことや経験してきたことがお芝居から滲み出るように伝わってきて、何て言うか、奥行きがあるお芝居だなぁとしみじみと感じた。これが月組育ちってことなんだろうか。

凄いといえばアドリブの返しもお見事!早霧さんの突拍子もないアドリブを上手く自分のセリフに織り交ぜて観客の笑いを誘うっていう流れが素晴らしくて感動したよ。みゆちゃんって早霧さんの言動にはわわわ…!////ってしてるイメージしかなかったんだけど(失礼)今回の切り返しを見てとても頼もしい娘役さんだなって再認識した。単純に繰り出されたアクションやアクセントを取り入れるパターンもあれば、今回私が見たような、そのワード自体を笑いのポイントとして拾って高笑いの間に入れるパターンとか、特にアドリブを取り入れず普段よりも大袈裟に高笑いをして返すっていうパターンもあった。ちなみに後者のやつは早霧さんが、今回はアクションを入れないな、というのを感じ取ってセリフを続けたことが素晴らしいコンビネーションで大興奮だった。アドリブは早霧さんがその日の客席の様子を察して判断してるっていうのは聞いていたけど、それがコンビ間でもしっかり構築されていることに感動した。どこまで事前に打ち合わせてるのかは分からないけど、あれだけ機転が利く様子を見ていると、みゆちゃんならどんな変化球を投げても必ず打ち返してくれる安心感があるよなぁって。早霧さんが自由にのびのびお芝居できるのもみゆちゃんのおかげなのかもしれないなぁ…くらいまで思った。とても素敵なコンビ♡

 

主演二人の印象が強過ぎたからあとはサラッと…

 

まず銭形警部。相変わらず大きな声と長い足を存分に活用してそれはそれは輝いてた。圧巻。圧巻すぎて一方的に銭形劇場を見せられてる感覚になる(笑)一つ一つの場面でのインパクトが強すぎてそこまで多くないはずなのに胸やけするくらい濃いものが残るもん(笑)銭形の私的名場面はタイムスリップしてから一人ルパンの名前を呼ぶ場面ね。あの心細さと哀愁が何とも言えない面白さ。面白いって言っていいのかアレだけど(笑)夢乃ワールドにもっていくパワフルさと抜かりないお芝居はさすがの一言。

 

カリオストロさん、もうジュゼッペたんでいいか。ジュゼッペたんは日に日に可愛くなるよね(笑)あの風貌なのに不憫な思いばっかりで可哀想だけど本当可愛い(笑)それでいてセラフィーナちゃんにはツンデレ全開で、ちょっと萌えキャラの要素が詰まりすぎてて愛しいよ。花組の望海さんはSキャラだと思っていたのに雪組に来たら早霧さんや月城さんにまでやられてくぅ~!><ってなってるっていう背景も含めて愛しい。

 

不二子ちゃん。不二子ちゃんはピンポイントになっちゃうけど、終盤のアクションシーンでピストルを構える後ろ姿が大好き。ちょっとお尻を突き出して女性らしいラインを維持しつつバシッと銃を向ける凛々しさたるや…!ふ、ふじこちゃん…!!って、その場面はルパンさんもいるのに思わず不二子ちゃんに見惚れちゃう♡稽古場レポートでともみんさんが言っていたように常にあっはん♡うっふん♡してるせしる姐さんハマリ役すぎる。

 

五ェ門さん。五エ門さんは基本的にセリフが少ないから双眼鏡で表情を確認しなきゃ分からないことが多いんだけど、それでも目を瞑って独自の世界に入ってることが多いから本当大変(笑)でもキュンとしたのがジャンヌとレトーに連れられてロアン枢機卿を騙しに行く場面。上手く誘いに乗せてガッツポーズするジャンヌとレトーに少し遅れて不思議そうな表情でさりげなくガッツポーズをしてその後!捌ける直前に「ふふふ♡」って微笑むの!急に感情出てきた!って毎回そこでやられる(笑)

 

次元さん。次元さんで一番感激したのは、これも最後のアクションシーンになっちゃうんだけど、不二子が敵に捕らえられて連れていかれていく反対側でマリーちゃん一家が敵の兵隊たちに襲われそうになってる場面。この場面、最初私は双眼鏡でルパンさんロックオンしてたから周りで何が起きてるのか分からなくて(ジャニの現場でよくあるやつ)何をそんなにキョロキョロして迷ってるんだろうって不思議に思ってたんだけど、あれってどっちの女を助けるかで迷ってたのね。それで結果的には不二子を選ぶんだけど、その理由が、次元が「こっちはいいからお前はあっちへ行け!」って手で合図してるんだよね。声には出してないから本当サイレントのお芝居でそのやり取りがあって、このときに“ルパンの相棒”っていうことを強く感じた。

 

ちょっと話それるけど、私アヴァンチュリエが大好きで、中でも次元と五エ門が歌っているときのルパンが、お互いのことをよく分かってる仲間たち(次元と五エ門)が甘い誘惑でジュゼッペたんを落としにかかってるのを「いいぞいいぞ…♡」ってニヒヒ顔で聞いてるっていう。目立った見所ではないんだけどね。結局主役で一番目立つのはルパンだからそこまでチームとしての描かれ方はされてない印象なんだけど、このときの表情を見てたらやっぱりこの3人はチームで絶対的な仲間なんだなって感じられる。

  

他にも見所やツボはたくさんあったけど、特に印象に残ったところを書いたつもりだけどまだ抜けてるところが多々ある気がする。本当いろん要素が詰まってて目が足りないし記憶力も追いつかないよ…!次は東宝の二日目で、あと1ヶ月もお預けだなんて絶対ルパンロスになるなぁ…(泣)

皆さん大劇場千穐楽までケガなく頑張ってください♡早霧さん大好きです♡(突然の告白)

雪組 ファンシー・ガイ! 1/2

宝塚大劇場  開演11:00、15:00

 

 

公演前からいろんなメディアで「プロローグは男役娘役みんなパンツにハットで」とか「男役と娘役が火花を散らすことでお互いを引き立て合う」とか語っていたから対比厨としては物凄く楽しみにしてたんだけど、結論から言うと“期待しすぎた”っていう感想。ショーを生で観るのはまだ2回目で、初観劇っていうのもあって前回の月組のクリタカが凄く印象に残っていて楽しかったからその落差にまず戸惑った。事前に語ってた構想と内容が全然結びつかなかった。初心者には難しかった。

クリタカはショーだけどお芝居じみていたから一つ一つの場面が個性的で統一感がなくてもすんなり世界に入っていけたけど、ファンシーガイに関しては全てが唐突で、いきなり始まるのはいいとしても終わりが「え、終わり?!」ってどこが盛り上がりなのか、何が見せ場だったのか、どんな心情を一番に伝えたかったのか等々が場面から汲み取れないまま終わってしまってモヤモヤが残った。これは私の理解力の低さが問題だけど。だから全体を通して世界観を楽しむというよりは、個人の歌やダンス、衣装や照明や演出という外見的なものしか楽しめなかった。でも軽薄なものでは絶対にないから、きっと何回か観て深みを味わっていくものなのかなと。とりあえず次の観劇までにいろんな意見に触れて頭も柔軟にしておこうと思う。

 

あと今回は早霧・夢乃・望海のトライアングルに重きを置かれた内容になっていたのも特徴的。この3人がフロントにいるのは今回が最初で最後だから、3人の絡みをふんだんに入れて何かを残そうとしてるように思った。割合で言ったらちょっとくどいくらい(笑)もちろんちぎともの同期故の言葉にはできない熱いものもあるんだけど、現二番手のともみんさんから時期二番手のだいもんさんへの引き継ぎも強く感じられる内容だった。黒燕尾とかは特に。

序盤一人で大階段を降りてくる早霧さんは、いよいよトップになってこれから歴史を創っていく、という崇高なオーラがとても眩しくてこちらもグッと身構えて見守っている感覚だった。と同時に、あんなに広い大階段の空間に一人、っていう心細さみたいなものが感じられた。そんななかで次に一人で降りてくるのが早霧さんと同期で今回で退団してしまうともみんさん。お二人の歴史は恥ずかしながら勉強不足でほとんど知らないんだけど、トップ就任以降のインタビューなどを見ていると早霧さんにとってともみんさんがどれほど大きな存在であったかが分かるし、音楽学校からの付き合いの良き理解者がいなくなってしまう不安みたいなものもあるのかなって。だからともみんさんが早霧さんに向かって降りてくるとさっき感じた心細さが一瞬で消えた。不思議なのが、中央で一人でいるときも十分輝いているのに、続いてともみんさんやだいもんさんが降りてきてお二人を従えると早霧さんの輝きが増して見えるんだよね。あれって見てる側がそれぞれの関係性を思い浮かべながら意識して見てるからっていうのが要因として大きいだろうけど、そういう見方を楽しめるようになればもっと世界が広がるんだろうなぁ。

 

そういう背景もあってちぎみゆコンビの見せ場、特にゆうみちゃんの見せ場が少ないのがちょっと…。プロローグとパレード以外歌わないんだよね。あんなに綺麗な歌声を持ってるのに。それがもどかしくて悲しくて。そこが一番ガッカリだった。でもその分最後のデュエットダンスでのゆうみちゃんがとても楽しそうで、観ていてとても幸せな気分になる。それまでのモヤモヤもパッと消えて救われる。女神様みたい。曲も軽やかなアレンジをされた愛の賛歌だったのも凄く効果的な気がする。衣装も可愛いし、本当あのデュエットダンス大好き♡あれを生で観るだけでも遠征する価値がある。(少なくとも私は)

 

観劇から1週間経ってしまって記憶が曖昧だからこれが限界…。次はもっと詳しく書けるように頑張る!

雪組 ルパン三世-王妃の首飾りを追え!- 1/2

宝塚大劇場  開演11:00、15:00

 

 

KinKi元日終わりにヤコバで雪が降るなか弾丸ムラ遠征してきた♡ご贔屓のトップ早霧さんの大劇場お披露目ってことで期待に胸躍らせながら憧れの地に降り立ったわけだけど、初大劇場で初雪組で2015年初観劇という初めて尽くしなこともあってそれはそれは楽しかった~♡

 

制作発表からいろんなメディアで取り上げられてメインキャストの見事な再現っぷりでも話題になっていたけど、実際に観劇してみたらその期待をさらに上回る娯楽作品として最高の出来栄えだった。従来の宝塚らしさも残しつつアニメならではの動きも上手く取り入れられていた。ストーリー展開も目まぐるしく変わってテンポがよく、飽きることなくあっという間に1時間35分を駆け抜けた印象。史実(というかベルばら)の要素が巧みに盛り込まれていて、それに沿って話が進んでいくからタイムスリップの説得力が増していた。でも登場人物と史実の絡みはハチャメチャだからコメディとして成立してるという脚本の上手さが光っていたと思う。あと個人的にはオーシャンズ11に似た痛快さがあって勝手にオーシャンズロスを拗らせた…。

 

早霧さんのルパンはもうルパンそのもの!あそこまで二次元のキャラクターを再現してくるとは正直予想してなくて、言っても宝塚だから無意識の抑制心が働くものだと思ってたのに、そんなの一切なく清々しいほどに2.5枚目のルパンを演じていて観ている側としても気持ちが良かった。ここで照れとか遠慮があったら観ている側にもモヤっとしたものが残るんだけど、そこはさすがの度胸というか、公演をするからには全力で役と向き合って最高のものを届けるというプライドとプロ意識みたいなものを感じざるをえなかった。あとは早霧さんが宝塚の松岡修造だってことを忘れてたよね。だってあの濃いキャラクターたちの中で一番イキイキして輝いてたのが早霧さんだったもん(笑)本当上手いことできてるよ(笑)
ルパン三世ということで宝塚らしからぬおちゃらけた部分ばかりに注目してしまいがちだけど、ちゃんと所々に早霧さんらしい繊細な表情や心情の変化が丁寧にお芝居に表れていた。この辺はトップになったからといって方向転換はしないというちょっとした安心感のようなものを感じて、以前からのファンの人たちにはホッとする一面だったんじゃないかな。

 

ゆうみちゃん(咲妃みゆちゃん)のマリー・アントワネットも見事だった。大人な女役から元気な娘役まで演じられる娘役さんという印象なんだけど、今回もその多才ぶりが発揮されていて物語に花を添えていた。最近各組で再演が続いていたベルばらでのマリー・アントワネット像とは全く違うのもとても新鮮で面白かった。自由に憧れるがゆえにわがままな言動をしてしまったり、好奇心旺盛だから現代からやってきたルパンに興味を持ってはしゃいだり…どちらかというと一般的なイメージの贅沢三昧のわがまま王妃像に近い描かれ方だったけど、それでも愛らしさを一瞬も無くさずに演じていた。
なかでも一番感動したのがお芝居での声!王妃の気品ある高音がとても綺麗で心地よくて、練習したという高笑いも全てが可愛らしく、“咲妃”という名前が本当にピッタリだった。一転してカフェー未亡人での最期を覚悟した落ち着きのあるお芝居は時の経過を見事に表現していて、改めて頼もしい娘役さんだなと今後の雪組がますます楽しみになった。

 

だいもんさん(望海風斗さん)のカリオストロ伯爵はまぁ~~~~裏切られた!!ポスターでのビジュアルといい、アニメでの設定といい、てっきり悪役だとばかり思っていて「だいもんさんの悪役楽しみ♡」くらいの気持ちで観劇に臨んだのに、いざ幕が開いたらどえらい萌えキャラだった…!忘れてたけどルパン一味は泥棒だし、フランス革命時に王妃の首飾りを狙ってたジャンヌはずる賢い悪女で、権力を手に入れようとしていたロベスピエールも革命家の顔をした悪者…ってこの物語の登場人物に正義のヒーローはいないんだよね。しいて言うなら銭形警部くらい?(笑)みんな己の私利私欲のために周りを巻き込んでいくキャラクターばかりで、これも脚本が大勝利の要因なんだろうけど、この悪党たちが王妃とどう絡んで物語が進んでいくかってところが作品の鍵になっていた。ここまで言っといてあれだけど、カリたんの萌えキャラぶりはぜひ劇場に足を運んで自身の目で確かめてほしいやつ。
あとは今回が花組から組替えして初の作品になるってことでとても楽しみにしていたんだけど、その圧倒的な歌唱力とオーラにもう目が釘付け。だいもんさんが出てきて歌うだけでその場の雰囲気がガラッと変わって、だいもんさんの一つ一つの言動に“THE宝塚”を感じた。各組の違いはまだよく分かってないけど確実に他の雪組生とは違うものがあったから、もしかしたらあれが10年以上花組で育ってきた生粋の花男ってことなんだろうかと思わず考えてしまった。長年磨いてきた技術が組が変わることでどう変わっていくのかがとても楽しみ。

 

ともみんさん(夢乃聖夏さん)の銭形警部はもうとにかく凄かった。早霧さんがルパンとして輝いていたのは、ともみんさんが一貫して銭形だったからだと思う。ルパン以上に宝塚らしさとは対極にあるこのキャラクターを演じきるそのパワフルな舞台人魂に感服した。ルパンを捕まえることに執念を燃やし生きがいにすらしている熱さと、その一方で等身大で普通のおじさんらしい哀愁もしっかりと漂わせて完璧だった。早霧さんがいたからこの舞台化が決定したと言われているけど、ともみんさんがこのタイミングで雪組にいたことも大きな後押しになったはずで、それを思うと宝塚の巡り合わせは面白いなぁとつくづく感心する。そんな完璧なともみんさんの銭形だけど、指摘するといえば足が長すぎるところ。ちょっとスタイルが良すぎます(笑)
今回で退団というのが本当に勿体ない。でもそういった強い想い入れがあるからここまで全力で役にぶつかることができるのかもしれない。新トップ早霧せいなさんのルパン三世と、同期で二番手として男役として最後である夢乃聖夏さんの銭形の掛け合いは必ず伝説になるし名作になると思う。男役としてはスマートじゃないかもしれないけど、ともみんさんの魅力がこれでもかと詰まった愛のあるキャラクターになっていた。

  

他にも、寡黙なのに地味にツボをついてくる五ェ門役のなぎしょさん(彩凪翔さん)と常に渋くも豪快な立ち回りをこなす次元役の彩風さん(彩風咲奈さん)の雪組が誇る次世代のスター彩彩コンビ、終始フェロモン垂れ流し状態のカッコイイ不二子ちゃん役のせしる姐さん(大湖せしるさん)、悪役なのにアドリブ担当で憎めないジャンヌ役の透水さん(透水さらささん)とレトー役の月城さん(月城かなとさん)のコンビ、さらにカリたんとの名コンビっぷりが光るセラフィーナ役の有沙瞳ちゃん…とまぁ名前を挙げたらきりがないくらい一癖も二癖もあるキャラクターたちが生き生きとしていて、かと言ってくどくもなくて、本当に丁度いい塩梅で傑作だった。
ド新規な私が言うのもアレだけど、興味本位で宝塚見てみたいわっていう人に是非観てもらいたい。これなら宝塚色がそこまで濃くないから意気込まなくてもライトに宝塚の世界に入れると思う。この作品で私の周りの人を観劇に連れていくというのが密かな目標(笑)

 

ショーの感想も書こうと思ったけど思いのほかルパンの感想が盛り上がってしまったからまた別で書く。

月組 PUCK 11/30

東京宝塚劇場  開演11:00

 

つ!い!に!宝塚行ってきた!初宝塚!!もう最っっ高に楽しかった!!!

大学の友人たちと終園まで誕生日ディズニーした翌日の昼公演だからコンディションとしては万全じゃないけど、23歳にしての初体験ってことでモチベーションは高かった。大まかなあらすじは知ってるっていうレベルで臨んだから(もちろん初演の映像は見たことない)純粋に物語の展開にワクワクしながら見てた。ただ、キャストもメインの方々しか把握してなかったから見ている最中に気になった役とジェンヌさんの名前を一致させることができなくてそこは次への課題かなと。

 

ミュージカルってまだ馴染みがなくて慣れないところがあるんだけど、宝塚の場合はジャニーズと違って存在自体がフィクションだから思いのほかすんなり入っていけた。パックはまさおさん特有の男役の中にある女性らしさが昇華されて妖精というキャラクターに上手く合っていた気がする。妖精だから可愛らしくあっていいんだけど、けどやっぱり男役のまさおさんを求めているかから“ここぞ!”というときにバシッと太い声で歌い上げるところにキューンとした。まんまと心を鷲掴みされた感じ。またお芝居も素晴らしくて、後半の喋れないプックは表情や肩の動きで心情を表現していてもうプックが愛しくてたまらなかった。

恥ずかしながら物語に入り込んで見てたから常に感動して目をうるうるさせてる状態で、自分でもよく分からないタイミングで泣いてしまう現象が多々起きてたんだけど、中でも「え、ここで?」って我ながら驚いた泣きポイントがたまきちさんのロビー。ジャイアンみたいに横暴だけどハーミアのことに実は一番理解がある優しい人で、それが垣間見れたときに私の涙スイッチが突然入った。本当自分でもびっくりよ(笑)

でもそれを超えたのがハーミア。もうね、本当涙腺がバカになったわ(笑)なんであんなにピュアなの?!子供の頃に見た妖精に恋をしてまたいつか会えることを夢見ながら大人になった、ってそれだけで泣けるわ。実はパックよりもハーミアの方が夢のある存在な気さえしてくる。娘役さんが醸し出す母性って何なんだろうね。どうしてあんなにも感動するんだろう。ハーミアが「プック」って言う度に感極まってたからね。雷に打たれて人間になったパックとストーンステージの上でおでこを合わせるシーンは名シーンだったなぁ。理想的なハッピーエンド。

 

そんな清らかな気持ちで一幕を終えて二幕のショーへ。

 

ショーを見た率直な感想は、生で見る男役さんのパワーって凄いのね!ってこと。ギラギラしててセクシーな独特な男性像を全身から演じてて、月並みな感想だけど「この人たちみんな女性?!」って本当に思った(笑)異空間というか夢の世界というか、とにかく現実とはかけ離れた世界がそこにはあって、だからこそ娯楽として通い詰めるんだろうなってちょっとファンの気持ちが分かった。舞台への情熱と宝塚歌劇という芸術文化への情熱とプライドがとにかく凄くて圧倒された。

ちゃぴちゃんが好きだから彼女を重点的に見てしまったんだけど、娘役さんたちを率いて踊るところでは優雅でしなやかにまさに“舞う”って表現が似合うくらい可憐に踊っていて、けど人形にされてしまう場面では本当に心が無いような虚無感漂う不気味な様子をダンスで上手く表現しててその振り幅に一人驚嘆。(それができるからこそトップ娘役として活躍されてるんだろうけど)あとこの場面のダンスはダイナミックでパワフルで、それも見ていて清々しかった。

まさおさんとのデュエットダンスはタイプの違うダンスが数種類あった気がする。(記憶曖昧)スパニッシュな場面で若干攻撃的でセクシーに。白のパンツスタイルの場面はハツラツとしてエネルギッシュに。紫のドレスの場面ではTHE娘役な柔らかく可憐に…と場面ごとにコロコロとダンスも表情も変わるからとても面白かった。それでいて華やかさは一貫して失ってないから素晴らしいなと。芸術として軸が全くブレない。そんなこと最初から分かってはいたけど、いざ自分がその世界に足を踏み入れたらその奥深さを痛感した。

圧巻だったのが雫の場面!まさおさんを中心として組子の皆さんが同じ水色の衣装を着て波の渦を表現していてそのパワーたるや…!一糸乱れぬとはまさにこのことで、群舞の極みを見た感じ。この場面に限らずだけど、宝塚のショーって言葉がなくてもテーマがハッキリしてるから見てる側も伝わるものがしっかりと確立された状態で受け取れるんだね。これが癖になるんだろうな。セリフや歌の歌詞で心情や背景を提示したりしないけど、舞台を目で見て音楽を耳で聞いてあとはそれぞれが想像して楽しんで、っていう感じ。深い。でもだからこそ押しつけがなくて自由だったりもする。空間を楽しむという娯楽。

 

なんやかんやで観劇から一週間経ってしまったけど時間が経ってしみじみ思うのが「初観劇がPUCKでよかった」ってこと。初心者には入りやすいっていうのもあるんだけど、それ以上に作品がもつ魅力に気持ちがカチッとハマってしまって一気に宝塚が好きになった。“ずっと気になっていた宝塚を一度は見ておきたい”っていう軽い気持ちで臨んだのに一生忘れられない出会いになってしまった。(大袈裟)都内に住んでたら絶対もう一回入ってたから地方民でよかったわ(笑)

新しい趣味

先日のスカパー無料放送で前から気になっていた宝塚の専門チャンネルがあると聞いて、なんとなくスカイステージを見ていたらまんまとハマってしまった。無料放送期間は地上波ではなくひたすらスカステにチャンネル固定状態だった(笑)

気になりだしたのは今年のお正月のスマスマに花星宙のジェンヌさんたち100人が出演なさってたスマ進ハイスクール。それで興味を持ったけど、まだそのときは各トップさんの顔と名前を認識したくらいだった。そしたらその数ヵ月後に萩ちゃんたちが宝塚のオーシャンズ11の慎吾くん版に出演するってなって、そこから徐々に気になりだしたかなぁ。

 

それで先月末、YON明けでシャンテの花組衣装展を見に行って感動して、そのまま宝塚のグッズが売ってるショップにフラ~っと入っていろいろ眺めていたら、雪組新トップスターの早霧せいなさんの美しさに私の中で何かが弾けた。まぁこれぞいわゆる顔ファンだよね(笑)だってとっても綺麗なんだもん♡♡♡男役としても綺麗だし、女性としても超美人。生まれ変わったらあの顔になりたい…。それで一気に早霧さんが気になって、ネットで調べまくって動画もいっぱい見る日々(笑)

 

そんななかで素敵だな~♡と思ったジェンヌさんは、もう退団された音月桂さんと壮一帆さん。現役では月組トップ娘役の愛希れいかさん、花組(もうすぐ雪組)の望海風斗さん、そして花組トップスターの明日海りおさん♡

明日海さんのお名前(愛称のみりお)は以前からTLで何度かお見かけしていて存在は知ってたけど実際どういう方なのかは全然知らなくて、改めて作品を見たりトークを聞いてると、普段はおっとりしてふわふわ~っとした独特な空気を持っているのに舞台上ではキリっとした美少年系の男役さんで、このギャップがもうたまらなく魅力的!月組時代の作品もいくつか見たけど、さすが芝居の月組育ちという感じで喜怒哀楽様々な一面を見れて、また月組では準トップスターというなにやら裏がありそうな異例体制だったらしいんだけど、扱いとしては抜群にオイシイ立ち位置でそれも良かったなぁ~。ビジュアルも素敵だしハマる要素しかない。

 

そんなこんなで「年内に宝塚を観に行く!」という超安易な目標を立ててしまったんだけど、無事今月末の月組PUCKを観劇できそう♡日生やクリエには何回も行ってるけど、そのお隣の東京宝塚劇場はもちろん入ったこともなくて自分には縁がない世界だと思ってたのに。ちょうど萩ちゃんのお仕事が落ち着いてる時期だから特に支障はないんだけどね。ジャニーズに比べたらチケット代も安いし(ここ重要)、これから定期的に作品を観に行けたらいいな。次の狙いは1月の新生花組の国フォ公演♡

オーシャンズ11大千穐楽

今日無事に終わったみたいでよかった。期間にして半年くらいかな?普段とは違う環境で大変なこともたくさんあったと思うけどお疲れ様でした。

 

発表されたときは凄い作品のキャストに選ばれて大丈夫かなって舞台に立ってる姿が全く想像できなくて期待よりも不安とか心配の方が大きかった。しかもチケットの一般発売始まってたし(笑)でもいざ始まったら不慣れながらも周りについていこうとしてるのが見てとれて、自分の持ってるものに限界はあるものの、それを最大限出そうとしてる一生懸命さがあって、ファンとしてこんなに幸せなことはなかったよ。

ジャニーズのお仕事でも真ん中立たせてもらったりマイク持って歌わせてもらったりって、ありがたいことに恵まれた環境にあるけど、そういうのが一切ない場所で新しいことを一から学んで練習して自分のものにして表現するって凄く大変なことだと思うの。芸歴はそこそこあるものの、舞台経験は圧倒的に少ないし年齢も一番若いからね。そのおかげで周りのスタッフさんやキャストさんにたくさん助けてもらったと思う。その辺はもう萩ちゃんの人徳としか言いようがないんだけど(笑)共演者さんやスタッフさんにも良くしてもらって、そういうのも今回の舞台が楽しくて幸せだったって思える一つの要素。

 

あとはやっすーに感謝だね。言葉にできないくらい感謝。萩ちゃんを好きになって以降、行く現場には必ずやっすーがいて必ずコンビだったからその度に毎回感謝してるけど、今回は意味というか意義が大いにあった気がする。性格全然違うし稽古場での過ごし方もそれぞれ違うと思うけど、萩ちゃんにはやっすーがいたからできたことって絶対あったと思う。二人だからできたこともたくさんあったはず。初めての経験を一緒にできて、大きなお仕事を一緒に成し遂げて、また一つコンビとして強く逞しくなったんじゃないかな。

萩安厨としてはいつもの先輩やっすーと後輩萩ちゃんじゃない関係性が見れて新鮮だった。兄弟はみんな考えるけど双子だなんて絶対考えないような設定を外部からぶっこまれてその辺も最初は理解に苦しんだ(笑)だって絶対双子じゃないじゃん(笑)もっと双子っぽいコンビは他にもいるよって(笑)普段明らかに上下の線引きがある二人の関係性をどう取っ払うかっていうのも課題の一つだったんじゃないかなぁ。萩ちゃん遠慮しちゃうから。あと連日の様子を見てるとセリフのない場面でもお芝居のプラン立てて今日はこうしよう、明日はああしようって考えてたみたいだから、二人の色っていうのかな。そういうのが自分たちで作れるようになったっていうのは今後にとっても大きいし強みになったと思う。個人においてはもちろんだけど、コンビとしても収穫のある充実した期間だったと思う。これからその強みを本来の場所でこれでもかってくらい見せてほしい。

 

もちろんさなちゃんにも感謝してるよ!ジャニーズJr.としても先輩だし舞台経験でも二人以上だから、そんな仲間(って言っていいのかな?)が慎吾くんや山本さんと肩を並べるくらい堂々としてて良い刺激になったと思う。舞台でのさなちゃんの凄さは話には聞いてたけど実際見たことなくて今回が初めてだったんだけど、もう本当に凄かった。凄いって言葉でしか表現できないくらい凄かった。若手とは思えない安定感があって、表情も発声も素晴らしくて感動した。そんなに凄い人だったんだって(笑)

 

ダンスで見せ場があったり、最後のマジックの補助とかジャニーズJr.らしい役割も任されてそれも嬉しかったなぁ。FATE CITYの立ち位置が真ん中なの泣きそうなくらい嬉しかったからね。オーシャンズ10では慣れたヒップホップのダンスで生き生きしてたし。それぞれが持ち味を生かせるような演出をしてくださってて感激だった。かれこれ2年見てきたけど、そういう一面もあるんだ!っていう新しい発見の連続だった。もちろんいつもの萩ちゃんだって思うところもたくさんあったけど。最年少ならではのカッコよさと可愛さを引き出してくださった演出の小池先生には感謝しかない。これからもっと宝塚の作品見ます!(笑)

 

なんかいつまででも感想書けそう(笑)それくらい楽しいものがギュギュギュっと詰まった舞台だった。普段ジャニーズしか見ない私にとっては大きな衝撃だったし、一般人でも勉強になることがたくさんあった。眩しいくらいキラキラしてて、豪華で、そして痛快で。終盤に向けて客席と舞台上が一体になるあの感覚が凄く心地よくて大好きだった。コンサートとは違ってお客さんと演者さんの意志疎通が難しい舞台だけど、拍手の大きさや笑い声で劇場内のエネルギーがどんどん大きくなっていくあの感覚。客席の反応が演者さんたちを乗せるってああいう感覚なんだろうなっていうのを肌で感じることができて私自身も貴重な体験をさせてもらった。

そんな素晴らしい作品に大好きな萩ちゃんが出演させてもらえて、皆さんから愛されて、それを実感できてとっても幸せだった。関わったすべての人に「ありがとうございました!」って言いたいくらい感謝の気持ちでいっぱい。萩ちゃんには45公演ターク・モロイを演じきったこと、初めてのダンスでもしっかり自分を表現できたこと、苦手なアドリブにもたくさん挑戦したこと、って褒めたいことがたくさん。いつも頑張ってる萩ちゃんを見ると自分の愚かさ不真面目さ汚さを突きつけられるから萩ちゃんは今の私には欠かせない存在で(どんな見方だよ)、萩ちゃんがどんどん大きく成長していくのをちょっとだけ近くで見れるのが今は何よりの幸せ。私自身にはもう夢って無いから、萩ちゃんが自分の夢を叶えることが私の夢みたいになってる。だから全力で応援したい。悔しいことも報われないことも多いけど、ステージの上でライトを浴びてキラキラ輝く萩ちゃんが大好きだから飽きもせず応援するんだろうなって最近よく思うよ。他のみんなとはペースが違うかもしれないけど、萩ちゃんなりのペース、やり方で夢を叶えていってほしいと思う。

 

半年間お疲れ様でした!

素敵な作品をありがとうございました!!

萩ちゃん大好きだよ!!!!