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主に記録用

月組 PUCK 11/30

東京宝塚劇場  開演11:00

 

つ!い!に!宝塚行ってきた!初宝塚!!もう最っっ高に楽しかった!!!

大学の友人たちと終園まで誕生日ディズニーした翌日の昼公演だからコンディションとしては万全じゃないけど、23歳にしての初体験ってことでモチベーションは高かった。大まかなあらすじは知ってるっていうレベルで臨んだから(もちろん初演の映像は見たことない)純粋に物語の展開にワクワクしながら見てた。ただ、キャストもメインの方々しか把握してなかったから見ている最中に気になった役とジェンヌさんの名前を一致させることができなくてそこは次への課題かなと。

 

ミュージカルってまだ馴染みがなくて慣れないところがあるんだけど、宝塚の場合はジャニーズと違って存在自体がフィクションだから思いのほかすんなり入っていけた。パックはまさおさん特有の男役の中にある女性らしさが昇華されて妖精というキャラクターに上手く合っていた気がする。妖精だから可愛らしくあっていいんだけど、けどやっぱり男役のまさおさんを求めているかから“ここぞ!”というときにバシッと太い声で歌い上げるところにキューンとした。まんまと心を鷲掴みされた感じ。またお芝居も素晴らしくて、後半の喋れないプックは表情や肩の動きで心情を表現していてもうプックが愛しくてたまらなかった。

恥ずかしながら物語に入り込んで見てたから常に感動して目をうるうるさせてる状態で、自分でもよく分からないタイミングで泣いてしまう現象が多々起きてたんだけど、中でも「え、ここで?」って我ながら驚いた泣きポイントがたまきちさんのロビー。ジャイアンみたいに横暴だけどハーミアのことに実は一番理解がある優しい人で、それが垣間見れたときに私の涙スイッチが突然入った。本当自分でもびっくりよ(笑)

でもそれを超えたのがハーミア。もうね、本当涙腺がバカになったわ(笑)なんであんなにピュアなの?!子供の頃に見た妖精に恋をしてまたいつか会えることを夢見ながら大人になった、ってそれだけで泣けるわ。実はパックよりもハーミアの方が夢のある存在な気さえしてくる。娘役さんが醸し出す母性って何なんだろうね。どうしてあんなにも感動するんだろう。ハーミアが「プック」って言う度に感極まってたからね。雷に打たれて人間になったパックとストーンステージの上でおでこを合わせるシーンは名シーンだったなぁ。理想的なハッピーエンド。

 

そんな清らかな気持ちで一幕を終えて二幕のショーへ。

 

ショーを見た率直な感想は、生で見る男役さんのパワーって凄いのね!ってこと。ギラギラしててセクシーな独特な男性像を全身から演じてて、月並みな感想だけど「この人たちみんな女性?!」って本当に思った(笑)異空間というか夢の世界というか、とにかく現実とはかけ離れた世界がそこにはあって、だからこそ娯楽として通い詰めるんだろうなってちょっとファンの気持ちが分かった。舞台への情熱と宝塚歌劇という芸術文化への情熱とプライドがとにかく凄くて圧倒された。

ちゃぴちゃんが好きだから彼女を重点的に見てしまったんだけど、娘役さんたちを率いて踊るところでは優雅でしなやかにまさに“舞う”って表現が似合うくらい可憐に踊っていて、けど人形にされてしまう場面では本当に心が無いような虚無感漂う不気味な様子をダンスで上手く表現しててその振り幅に一人驚嘆。(それができるからこそトップ娘役として活躍されてるんだろうけど)あとこの場面のダンスはダイナミックでパワフルで、それも見ていて清々しかった。

まさおさんとのデュエットダンスはタイプの違うダンスが数種類あった気がする。(記憶曖昧)スパニッシュな場面で若干攻撃的でセクシーに。白のパンツスタイルの場面はハツラツとしてエネルギッシュに。紫のドレスの場面ではTHE娘役な柔らかく可憐に…と場面ごとにコロコロとダンスも表情も変わるからとても面白かった。それでいて華やかさは一貫して失ってないから素晴らしいなと。芸術として軸が全くブレない。そんなこと最初から分かってはいたけど、いざ自分がその世界に足を踏み入れたらその奥深さを痛感した。

圧巻だったのが雫の場面!まさおさんを中心として組子の皆さんが同じ水色の衣装を着て波の渦を表現していてそのパワーたるや…!一糸乱れぬとはまさにこのことで、群舞の極みを見た感じ。この場面に限らずだけど、宝塚のショーって言葉がなくてもテーマがハッキリしてるから見てる側も伝わるものがしっかりと確立された状態で受け取れるんだね。これが癖になるんだろうな。セリフや歌の歌詞で心情や背景を提示したりしないけど、舞台を目で見て音楽を耳で聞いてあとはそれぞれが想像して楽しんで、っていう感じ。深い。でもだからこそ押しつけがなくて自由だったりもする。空間を楽しむという娯楽。

 

なんやかんやで観劇から一週間経ってしまったけど時間が経ってしみじみ思うのが「初観劇がPUCKでよかった」ってこと。初心者には入りやすいっていうのもあるんだけど、それ以上に作品がもつ魅力に気持ちがカチッとハマってしまって一気に宝塚が好きになった。“ずっと気になっていた宝塚を一度は見ておきたい”っていう軽い気持ちで臨んだのに一生忘れられない出会いになってしまった。(大袈裟)都内に住んでたら絶対もう一回入ってたから地方民でよかったわ(笑)